ピリ辛のカニとキムチのスープ、アナゴのいため煮…「飯泥棒」は一つ二つではない
2021.07.30 11:12

 千里浦樹木園(忠清南道泰安郡)の従業員たちに、泰安を代表するグルメを訪ねたところ、多くの人が「ケグクチ(カニとキムチのスープ)」と口をそろえた。瑞山・泰安地域の郷土料理であるケグクチは、ケジャン(生のワタリガニを塩、漬け込みダレに漬けて熟成させた料理)の汁や塩辛を使って漬けたキムチをさす言葉だったが、最近はワタリガニ、白菜、シレギ(干したダイコンの葉)、熟成キムチなどを煮込んだ鍋料理として大衆化した。海辺食堂ペンションは、千里浦海水浴場にあるケグクチの名店だ。ワタリガニやエビ、白菜、熟したカボチャなどを入れてぐつぐつ煮込んだスープは、辛いがしょっぱくなく、淡泊だ。ケぐクチは(小)4万5000ウォン(約4300円)から。二人前セット(6万5000ウォン=約6200円)を注文すれば、ケグクチのほかカンジャンケジャン(ワタリガニのしょうゆ漬け)、セウジャン(エビのしょうゆ漬け)、ハイガイビビンバ、ご飯まで提供され、「飯泥棒」メニューを一度に楽しむことができる。

 アナゴのいため煮やガンギエイの和え物で有名な千里浦刺し身店スーパーもある。アナゴのいため煮は、プリプリしたアナゴを辛いたれでいためた異色の料理。大きめに切ったネギ、ジャガイモ、キノコと甘辛いたれが、脂っこさを抑えてくれる。ガンギエイとセリ、キュウリ、ダイコンを甘酸っぱく味付けした和え物も、人気メニューの一つだ。1000ウォン(約95円)でそうめんを追加して食べてもおいしい。アナゴのいため煮は二人前4万5000ウォン、ガンギエイの和え物は二人前3万5000ウォン(約3400円)。

 万里浦海水浴場では沈む夕日を眺めながら、余裕を持って「泰安シュペナー」を一杯飲んでみてはいかがだろう。テラスで西海岸の風景を鑑賞することができるピノカフェは、夕日の名所として人気だ。代表的なメニューである泰安シュペナーは、クリームをのせたアインシュペナーに泰安近隣で育ったカジメのパウダー、塩をふり、甘じょっぱい味を極大化させた。また、海を見ながらライムやミントの葉で清涼感ある味を実現した「万里浦エード」を一杯飲めば、モルディブの海辺にも劣らない。泰安シュペナーは7900ウォン(約760円)、万里浦エードは8900ウォン(850円)。

ペク・スジン記者

チョソン・ドットコム/朝鮮日報日本語版