韓国で今、湯種パンが人気

  •  韓国で今、「湯種パン」が話題だ。bread&co.、トゥレジュール、パリ・バゲット、大型スーパー「イーマート」内のミルク&ハニーなど大手ベーカリー・チェーンはもちろん、ソウル・弘益大学近くのキョ・ベーカリー、銅雀区本洞のBread Sumなどでも、先を争うように湯種パンを売り出している。インターネット上で「湯種パン」を検索すると、「消化吸収のよいパン 湯種の秘密」「湯種食パンのレシピ教えてください」「湯種パンつくってみました」など、多くのブログ、記事、動画が出てくるほど、人々の関心が高い。

     湯種パンは、湯種法を用いてつくるパンをいう。基本的にパンは小麦粉に水と酵母(またはイースト)を混ぜてつくる。発酵した生地をオーブンで焼くと、表面がこんがりしたパンができ上がる。

     湯種法では、さらに糊化の過程が追加される。小麦粉を熱湯でこねることで、やわらかくもちもちした生地ができる。これにより、しっとりしていてやわらかい食感になる。

     これに小麦粉、酵母、水を加え完成した生地を焼けば、湯種パンのでき上がり。一般的なパンに比べしっとり、もちもちしている。パンより餅に近いと言えるかもしれない。パンより餅に慣れ親しんできた韓国や日本、中国などの人たちに好まれる食感だ。

     湯種法がいつどこで生まれたのかははっきり分かっていない。大韓民国製菓名匠に名を連ねるイム・ホンヤンbread&co.常任顧問(77)は「湯種法を初めて試したのは1980年代初めだったが、当時は特に反応がなかった。しかし昨年から本格的に商品化されている。この製法は日本で開発されたようだ」と語った。その後、台湾で出版された「65°C Bread Doctor」という本で湯種法が紹介され、中華圏や東南アジアでも人気を集めるようになり、韓国にも伝わったとみられる。

     イム顧問は「パンを主食としているヨーロッパでは湯種パンがほとんど知られていない」と話している。「パンの食べ方を見ると、西洋の人たちは外側を、韓国の人たちは中をよく食べている。西洋の人たちは表面のサクサクしていて硬い食感を楽しんでいるのだろう。皮が薄くやわらかい湯種パンがあまり好きではないのはそのためだ。それは逆に、東洋人が湯種パンを好む理由でもある」

キム・ソンユン記者
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