テナガダコの産地・全南VSソウル、進化を遂げるタコ料理

  •  韓国産テナガダコはおおかた全羅南道の干潟でとれると言っても過言ではない。最高のテナガダコの産地の座を争う務安郡と霊岩郡、集散地の木浦市にテナガダコ専門店が集まっている。秋になると、ソウルで名の知れた湖南(全羅道)料理店でも旬のテナガダコを食べることができる。

     務安郡のテナガダコ料理店では基本的に、気絶ダコ(テナガダコをざるに入れてもんで気絶させ、足をちぎって皿に盛り付け、唐辛子みそなどのたれにつけて食べる料理)とタコの踊り食いをどちらも提供している。さらにムルフェ(水刺し身=刺し身に氷水、唐辛子みそ、野菜などを入れて食べる料理)、炒め物、鍋料理、ホロン( テナガダコを箸に巻いて焼いた料理)、酢和えなどについては、出す店もあれば、出さない店もある。コムソルガーデン、クロ刺し身店、トンウォン食堂、スクの食堂、第一刺し身食堂、ハナム食堂、ヒャンリム刺し身店などが有名だ。
  •  霊岩郡のトクチョン食堂は、牛カルビとテナガダコを煮込んだスープの元祖と言われる。ヨンミョン食堂はタコスープ、カルビ&タコスープをどちらも提供している。トンラク会館はタコ炒め、酢和えのタレが絶品だ。

     木浦のコムジプカルビは、成長する前の足の細いテナガダコを使った刺し身冷麺、タコとゆで肉の和え物など、珍しいメニューがある。

     一方、ソウル市鍾路区内資洞のシンアン村、雲泥洞の木浦家、瑞草区瑞草洞の三鶴島など、湖南地方の料理を出す店はテナガダコの季節になると、それぞれメニューに加える。江南区駅三洞の海南チョンイル館はテナガダコも美味しいが、トッカルビ(韓国風ハンバーグ)や炭火肉炒めで有名な韓定食店だ。エイギョーザという独特なメニューもある。

     永登浦区汝矣島洞のテバンコルは、テナガダコだけでなくイシモチでも有名な店だ。江南区三成洞のプンオ村はカンジャン・ケジャン(ワタリガニのしょうゆ漬け)からヒントを得て、テナガダコのしょう油漬けを開発。あまりしょっぱくなく、やや甘みが感じられる。城東区往十里のタヒョン干潟細足テナガダコは、スープや鉄板焼きがおいしい。

     ソウル地方警察庁横の路地にある舍廊房は、ゆでたテナガダコをさまざまな野菜とともに食べる水刺し身を開発。辛味、酸味、甘味が感じられるスープがいい。銅雀区舎堂洞の宝城食堂は、甘すぎず辛すぎず、テナガダコ本来の味を生かした炒め物がおいしいが、チョングクチャン(納豆汁に似た韓国料理)やジャガイモのチヂミも絶品だ。江南区新沙洞のおばあちゃん現代テナガダコ店は、一見トッポッキ(餅の唐辛子みそ炒め)を思わせるようなタレ、辛味と甘味のバランスが絶妙だ。テナガダコ炒めより、細足テナガダコ炒めがいい。

キム・ソンユン記者
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