韓国で今、アルコール度数の高い酒の人気再び

  •  サラリーマンのイ・ジュンスさん(38)は最近、両親が暮らすソウル市恩平区鷹岩洞の商店に入り、よく「赤いふた」と言われるアルコール度数20度の焼酎が所狭しと並んでいるのを見て驚いた。職場近くの居酒屋や食堂ではなかなか見られないからだ。イさんが「この町には高齢者が多いからこんなに置いてあるんですか」と尋ねると、店主は「何を言っているんですか。若いお客さんもよく買っていきますよ」と答えた。

     焼酎のアルコール度数が全般的に下がり、消えていくかのように思われていた「往年の(アルコール度数が高く)強い焼酎」が息を吹き返している。「赤いふた」ことチャミスル・オリジナル(20.1度)と眞路ゴールド(25度)を生産しているハイト眞路の関係者は「チャミスル・フレッシュ(17.8度)の販売量が100だとしたら、『赤いふた』の販売量は17くらい。強い焼酎も大きな変動なく、依然として売れている」と語った。宝海醸造は、アルコール度数の低い酒の人気に押され、2007年から生産を中断していた度数23度の宝海ゴールドを昨年再び販売し始めた。


  •  1920年代に希釈式焼酎が初めて登場したとき、アルコール度数は30度に迫るほどだった。1970年代に眞路(現ハイト眞路)が25度の商品を発売し、「焼酎=25度」が公式となった。1998年に23度のチャミスルが登場し、公式が崩れた。2006年にまろやかな焼酎ブームが吹き荒れ19.8度になり、その後16-17度まで下がった。

     強い焼酎を主に飲んでいるのは40代以上の男性たちだ。最近では30代以下の若い層もかなり飲んでいる。主に家庭用として販売されている。サラリーマンのハン・ボンソクさん(51)は「家で飲むときはチャミスル・フレッシュ1本では少し物足りないが、だからと言って2本飲むのは微妙なので『赤いふた』を飲んでいる」と語った。

     美食家たちの中には「赤いふたを飲む」と言う人が多い。「Caffe Themselves」のキム・セウン代表は「アルコール度数の高い焼酎が度数の低い焼酎に比べ臭みが少ない」と話している。ただ単に気分のせいとか、先入観のせいではない。醸造専門家のイ・ジョンギさんは「アルコールの度数を低くすると水の生臭さが出るので、アスパルテームや塩、グルタミン酸ナトリウムなどを多く加える。味に敏感な人たちがこれを感知しているというわけだ」と語った。「楽喜屋」のキム・ソニ代表は「そのまま飲むときはまろやかな焼酎を、爆弾酒(ウイスキーや焼酎のビール割り)として飲むときはそれでは物足りないのでアルコール度数の高い焼酎を選ぶ」と話している。
キム・ソンユン記者
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