平昌五輪で目についた「21世紀韓服」とは

  •  オリンピックはスポーツの祭典であると同時に、さまざまな衣装が個性を発揮するファッションの祭典でもある。平昌では「韓服(韓国の伝統衣装)のようで韓服ではない」衣装が特に目についた。開会式で各国・地域の選手団の案内役を務めた「雪の華の妖精」のドレスは、首のラインが韓服に似ていた。メダルを持って授賞式に登場したアシスタントたちの毛皮の帽子も、韓服の防寒帽を思わせるという反応が多かった。

     開会式・閉会式の衣装デザイナーの一人、弘益大学繊維美術ファッションデザイン科のクム・ギスク教授はこれを「21世紀韓服」と表現した。「20世紀に着ていた韓服だけが伝統だと思われがちだが、ずっと昔からシルエットや素材、ディテールが変わり続けている。それなら21世紀の感性に合う韓服も、以前とは異なるべきではないか」

  •  閉会式の衣装は韓服のイメージを減らし、よりいっそう軽快なデザインにした。クム教授は「開会式が開催国の文化的伝統を見せる場であるとするなら、閉会式はフェスティバルやパーティーに近いイベントだから」と説明。特に色に神経を使った。「白衣民族」の白と平和を象徴する青を使い、オリンピックの平和精神を強調した。選手団が入場するとき、公演を行った人たちが着ていた衣装もクム教授の作品だ。「選手たちの色とりどりのユニホームに合うよう、華やかな色を使った。さまざまな色を用いることで、多様性を強調するという考えもあった。それもオリンピック精神だから」

     平昌オリンピックの衣装を担当したデザイナーは4人。そのうちチン・テオク、イ・ヨンヒ、ソン・ジャインとは異なり、クム教授はファッションブランドを手掛けておらず、これまで教壇に立ってきた。作品の展示会も地道に行っている。針金で服を結び、玉や布で飾る「ワイヤードレス」が代表的な作品だ。いつも「着ないファッション」と言われてきたが、今回の開会式で、雪の華の妖精たちが実際に着ることができるということを示した。

     「韓国的ではないという憂慮があった。でも、1988年ソウル・オリンピックでプラカード係が着ていた韓服とは異なるべきだし、2020年、2022年にオリンピックを開催する日本や中国の伝統衣装とも差別化しなければならなかった。芸術作品として昇華した服を披露し、人々が気にかけ、夢中になれるようにした」

     開会式で太極旗(韓国の国旗)を手にしていた黄永祚(ファン・ヨンジョ)、イ・スンヨプ、朴セリ(パク・セリ)らスポーツ界のスターたちが着ていた上着は、紛れもなく伝統韓服のように見えた。これは「道袍型コート」という。道袍を現代的に再解釈したという意味だ。クム教授は「帽子の飾りも玉のような素材ではなく、現代の繊維工芸家の作品を使った」と語った。

チェ・ミンギ記者
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