韓国で今、見知らぬ人の家で他人の生活を体験する会が人気

  •  ソウル市西大門区延禧洞のシェアハウスで暮らすキム・ソンヨンさん(36)は昨年、独特なサービスを始めた。ソーシャルメディアを通じて人々を集め、知らない人の家を見学させる「他人の家プロジェクト」を立ち上げたのだ。自分の家に見知らぬ人たちを招待したい人がキムさんに連絡すると、キムさんが予約を受け付けて客を募集する。「訪問費用」は1人当たり1万-3万ウォン(約1000-3000円)ほどだ。キムさんは「シェアは薄で暮らしながら、ルームメイトと一緒にきれいに飾った家をほかの人たちと共有したいという思いを発展させ、創業することになった。全く知らない人たちが他人の家に集まり『ぎこちない』体験をともに分かち合うのがこの集まりの目的」と話している。



  •  見知らぬ人を家に招待したり、知らない人の家で開催される集まりに出席する人が増えている。さまざまな職業や好みを持った人たちの生活を間接的に体験するのが「他人の家の会」の魅力だ。ヨガのインストラクターの家で皆一緒に瞑想体験をしたり、本の収集が趣味だという人の家に集まり読書をした後、それについて会話をする。これらは一人で食事をするのが嫌な人たちが集まり、一緒に食事をする「ソーシャルダイニング」、一人で仕事をするのが嫌な人たちが一つの空間に集まって仕事をしながらアイデアを共有する「コワーキングスペース」の延長だと解釈される。ソーシャルメディアを通じて出会う会が、家という私的空間にまで領域を広げているというわけだ。たびたびこうした集まりに顔を出しているというシェフのイ・ジェホさん(33)は「音楽や映画、スポーツなどのようなテーマで家を飾ってみたいと思っていたが、職業柄料理のための空間を重点的に考えざるを得なかった。他人の家を見学しながら代理満足し、今後どのように家を構えたらいいか、アイデアを得ている」と語った。

     「他人の家の会」の人気が高まり、旅行業界では最初から家をメインにした商品を開発している。Airbnbコリアのホン・ジョンヒ・チーム長は「引退した作家が本でいっぱいの家を紹介し、旅行者の人生相談を受けるといった商品が人気を集めている。家主の好みや人生観を垣間見られる『経験共有サービス』が最近の旅行トレンドだ」と話した。

     慶煕大学イ・テックァン教授は「以前は『家族の居住地』という機能しかなかった家が、世帯の小規模化が進んだことで、個性や好みを前面に出し、ほかの人たちと共有する空間へと生まれ変わっている。住宅難に苦しめられている若い人たちがようやく手に入れた狭くて個性のない空間をどのように活用したらよいか悩みながら生じた現象でもある」と語った。
ピョ・テジュン記者
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