春ならではの味わい! 果物を使った寺のキムチ

  •  陰暦の3月と言えば、キムジャン(越冬用のキムチ漬け)が底をつく「キムチ春窮期」だ。底をつくまではいかなくても、臭みが出たり、やわらかくなったり、キムチ冷蔵庫にきちんと保管していても食べ飽きて嫌になることがある。寺刹料理(精進料理に相当)の専門家である正寬住職(白羊寺・天真庵)は「寺でもこの時期になるとキムチがなくなる。春に出てくる旬の食材で春キムチを漬けて食べると食欲がよみがえる」と語った。正寬住職は4月21日、ソウル市鍾路区仁寺洞の「ミュージアム・キムチ館」で寺刹式春キムチの漬け方を紹介した。

  •  最近よく出回っているトマトとともにリンゴ、梨などさまざまなフルーツを漬けたキムチは、サラダのようにさわやかだ。あまり辛過ぎず、甘みがあるので、子どもや外国人にもピッタリだ。「間もなく旬を迎えるマクワウリやスイカでキムチを漬けても、意外とおいしいです。スイカを漬けるときは白い部分をたれで和えた後、赤い部分をすりおろしてのせて召し上がれ。収穫したばかりのトマトは皮が薄く、そのまま使ってもいいけれど、梨やリンゴは冬を経て皮が厚くなっているので食感が劣るため、皮をむいて使ってください」

     一般的な白菜キムチも、トマトを使った具材を入れると春らしい感じになる。「キムジャンキムチと同じように具材をつくると味付けが濃く重くなり、後味がしつこくなるので春には合いません。トマトを入れると味が軽くなります」
  •  シャキシャキした食感のツルマンネングサは水キムチにするとおいしい。ツルマンネングサ以外にも春に採れるさまざまな山菜で水キムチを漬けることができる。「シラヤマギクやカホクザンショウで水キムチを漬けると、この上なく香しいです」

     正寬住職は、長期間にわたりキムチをおいしく食べることができる寺刹料理の秘訣についても話してくれた。「キムチの具材を和えるとき、ハスの葉を煮た汁を入れてみてください。天然の防腐剤の役割を果たし、長い間酸っぱくなったりやわらかくなったりしないのです。寺では塩辛を使えません。だから みそ玉麹用の大豆を入れてたんぱく質を補います。ただ入れるだけだと生臭いので、さっとゆでてから使います。塩からの代わりにしょう油を少し入れてもコクが出てキムチがずっとおいしいです」
キム・ソンユン記者
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