湖面の波にも葦原にも秋の趣き、大清湖畔キルを歩こう!

  •  大清湖の周辺には海抜200-300メートルのあまり高くない山や森があり、景色が素晴らしい。湖の周りを巡る道も整備されてある。湖畔に沿って伸びる「大清湖五百里キル」だ。この道はウォーキングブームに乗って「トレッキングの名所」として脚光を浴び、年間120万人が訪れる。秋のロマンあふれる道に沿って歩いてみた。

    ■秋のロマンあふれる大清湖畔の道

     葦原の道の先には「カレウル村」(楸洞)がある。クルミの木(韓国語でカレナム)が多いことから付いた地名だという。村の入り口には大清湖自然湿地公園がある。秋には銀色の葦原と湖の青い色が調和して美しい風景をなす。曲がりくねったウッドデッキに沿ってゆっくり歩きながら、その風景を胸に収めた。

  • 大清湖自然湿地公園
    ▲ 大清湖自然湿地公園
     大田市楸洞付近には大田地域へ水を供給する取水塔があり、自然の持つ意味がことのほか伝わってくる場所だ。楸洞湿地もまた、汚染物質を浄化してさまざまな生き物に生息地を提供する、天然の「腎臓」のような役割を果たしている。

     大清湖自然水辺公園を後にして、およそ300メートル先にある大清湖自然生態館へ向かった。かつての楸洞事務所が役目を終え、自然生態館へと生まれ変わったものだ。中に入るとハス池が目に入って来る。1階の映像館では、大清湖周辺の自然生態に関する教育映像を鑑賞できる。
  • 大清湖自然生態館
    ▲ 大清湖自然生態館
     郷土館は、大清湖を造成する際に水没した大田市東区地域におけるかつての生活の様子や歴史をうかがい知ることができる空間で、住民らが使用していた生活用品や民俗品が飾られている。また生態館には、大清湖周辺に生息する魚・昆虫・植物に関する標本や立体映像資料が展示されていて、生体の展示もある。何より見逃せないのは、大清湖の全貌を目にできる展望台だ。この展望台に上ると、下方から吹いてくる秋風にたちまち包まれる。風車が回っている公園や葦、大清湖が一望できる。
  • 大清湖自然生態館では、大清湖の歴史や生息している動植物などを一目で見ることができる。
    ▲ 大清湖自然生態館では、大清湖の歴史や生息している動植物などを一目で見ることができる。
    ■一歩踏み出すたび絵になる風景

     湖畔に沿って伸びていることから「湖畔ロマンキル」と名付けられた第4区間は、湖の風景を間近に見ることができる道だ。途中にある葦原は、2005年に放送されたドラマ『悲しき恋歌』のロケ地だ。主演はクォン・サンウとキム・ヒソン。道路にも、ドラマのロケ場所を知らせる表示板が立っている。

     第4区間は、リアス式海岸のように湖に向かって突き出た地形がかなり入り込んでは出るということを繰り返しているので、湖畔の風景を最も間近で最も多く目にできる場所の一つに挙げられる。細かく曲がりくねった美しい森の道を15分ほど歩くと、『悲しき恋歌』のロケ地に出る。撮影用のセットは撤去され、ここがドラマのロケ地だったことを伝える案内板だけがぽつんと立っている。

  • 当時ドラマに登場した小屋は残っていないが、湖畔の情緒を感じられる場所として大勢の人が足を運んでいる。
    ▲ 当時ドラマに登場した小屋は残っていないが、湖畔の情緒を感じられる場所として大勢の人が足を運んでいる。
     ロケ地のすぐそばでは、冬場に比べ水がかなり引いていて、旧約聖書に出てくる「モーセの奇跡」のような現象が起きていた。水があるときは島だった場所が30メートルほどの道でつながり、神秘的な風景を演出している。白い砂が砂州を連想させる。水が上がっては引くことを繰り返す中で、これが始まった。この道に「風の丘」がある。風の丘は、公式の名称ではない。大清湖の里程標には見晴らしのいい場所と記してある。だが多くの人が、大清湖の風を最もよく感じられる場所だとして、こう呼んでいる。

  • 水が引いた湖畔ロマンキルは、まるで砂州を思わせる。
    ▲ 水が引いた湖畔ロマンキルは、まるで砂州を思わせる。
    ■カカシと一緒に秋の農村体験

     五百里キルの第2区間にも、グリーン農村体験村「チャンセム村」がある。大田市大徳区イヒョン洞のトゥメ村から1キロ離れたこの村は、後三国時代の後百済の始祖、甄萱(キョン・フォン)の軍勢と新羅軍が村の裏手にある老姑山城で激しい戦闘を繰り広げた、血が流れたことから「血の谷」と呼ばれたという。その後、住民らが村のイメージを考え、日照りでも水が枯れず、いつも冷たい水がたくさん湧いている地域の特性を考慮して「チャンセム(冷たい泉)村」に名前を変えた。

  • チャンセム村
    ▲ チャンセム村
     大清ダムが造成されるまでは、山深く閉ざされた奥地中の奥地だったこの村が、今では農村体験観光村を代表するアイコンになった。チャンセム村が毎年秋に開いているカカシ体験行事は、欠かせないイベントだ。住民らは体験行事をさらに充実させ、楽しものにするために、「カカシと楽しむ農村体験」イベントも併せて開催している。

  • チャンセム村の秋は、カカシとの写真撮影、餅つき、サツマイモ掘り、クリ拾いなど、農村の秋を感じられる体験でいっぱいだ。
    ▲ チャンセム村の秋は、カカシとの写真撮影、餅つき、サツマイモ掘り、クリ拾いなど、農村の秋を感じられる体験でいっぱいだ。
     サツマイモ掘り体験のため、坂を上ってイモ畑に到着した。ちょっと苦しくなった息を整えた後、各自の区域を決めて鎌を持ち、サツマイモを掘り始めた。イモ掘りが終わるころには、参加者は皆、片手にサツマイモでいっぱいになったビニール袋を持っていた。このほかにもクリ拾い、幼虫観察、ウサギのエサやり、トラクター馬車など、さまざまな秋のパッケージ体験プログラムが用意されている。

     チャンセム村の裏手にチャンセム亭がある、あずまやに座って眺める大清湖の風景もいいが、チャンセム亭からまっすぐ上がっていける登山道を辿って老姑山に登れば、さらに大きな感動を得られる。少し行けば、百済と新羅の激しい戦いがうかがえる老姑山城を見ることもできる。散歩道も美しい。ここには大清湖畔キル3-1コース(老姑山城日の出道)と3-2コース(城峙山城青南台眺望道)が設定されている。この2本のコースには、毎年およそ2万人の登山客が訪れる。

    ■マッコリ1杯に勝負をかけた嫁、60年の人生

     トンイル酒造場は細川洞にあり、細川酒造場(細川醸造場)とも呼ばれる。70近い歳にもかかわらずしゃんとした姿勢でイスに座るパク・チュンジャ社長は「人の口に入るものなので一番いい材料を使い、添加物は絶対入れない」と語り、世を去ったしゅうとの代から守ってきた原則だ、とあらためて強調した。こうした原則のため大金を稼ぐことはできなかったが、「私が作るマッコリは酒ではなく食べ物。伝統のやり方に従って酵母を生かし、味もよく健康にもいい」として、大量に流通するほかのマッコリとは比較できないと断言した。

  • しゅうとの後を継ぎ、2代目として家業を守っているパク・チュンジャ社長の「細川マッコリ」は、時の流れによって消えてしまうかもしれない状況にある。
    ▲ しゅうとの後を継ぎ、2代目として家業を守っているパク・チュンジャ社長の「細川マッコリ」は、時の流れによって消えてしまうかもしれない状況にある。
     細川マッコリの流通期限は、冷蔵保管すれば10日、そうでなければ2-3日しかない。市中に流通させず、注文を受けて配達するというやり方を固く守っている理由でもある。

    ■大田の3大クッパ店に挙げられる山城市場の名物

     山城市場は1991年からマーケットが形成され始めた。さらに、93年に「大田エキスポ」が開催されたことで市場が活性化し始めた。餅店や靴の安売り店、そして雑貨店を通り過ぎると、大田の3大クッパ店に挙げられる「豚足ボクスンデ」と張り出された店が登場する。「ボクスンデ」の名で知られるここは、店主イ・ボクスンさん(58)の名をもじったスンデ(ブタの腸詰め)店だ。

  • 大田市中区山城洞唯一の伝統市場「山城市場」
    ▲ 大田市中区山城洞唯一の伝統市場「山城市場」
     ドアを開けて中に入ると、いささかくたびれてはいるが、大田の3大クッパ店の一つに挙げられるだけに、長年の貫禄が伝わってくる雰囲気だ。いかにも市場の名物らしく、大田はもちろん大邱、釜山、富川、ソウルなど韓国各地からこの店のスンデを味わうために訪れた人々で店内はいっぱいだった。

     注文しておよそ5分待つと、少し白濁した熱々のスープが自慢の「スンデクッパ」が出てきた。一緒に提供された大根キムチ、白菜キムチ、調味用のアミの塩辛、ニンニクと唐辛子の薬味、激辛の青唐辛子と生タマネギに付けて食べるサムジャン(合わせみそ)まで、おかず類はそれこそクッパ店のおかずのフルセットだ。まずは塩とエゴマの粉末で味を調えた。クッパを一口食べて細川マッコリ1杯で締めると、「こんなにいい相性がほかにあるだろうか」と思うほど口当たりはさわやか。味もいいが、量も十分だ。普通、スンデ店のクッパにはスンデが5-6個くらいしか入っていないことが多いが、ここは11-12個入っている。

  • 量も味も逸品、「ボクスンデ」のスンデクッパ
    ▲ 量も味も逸品、「ボクスンデ」のスンデクッパ
     18年間同じ場所でスンデを販売しているこの店の強味は、濃厚なスープにある。牛の脚の骨を7時間以上しっかり煮込み、内臓をどこの誰よりもきれいに洗うのがコツならぬコツだ、とイさんは説明した。そのほかのコツと言えば、味付けだ。イさんは早朝3時から店に出て毎日のように自らスンデを作り、料理の準備をする。

     イさんは「あれこれ宣伝しようと店を空けるより、自分の店で、やって来るお客さんにきちんと応えたい気持ちがあるし、それが目標。これからもここでうちの店固有の味で勝負したい」と語った。


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