イイダコやカキがたっぷり! 春にオススメの釜飯

  •  「久しぶりに家でご飯を作った甲斐があるわ」。会社員のチョン・サラさん(34)が先日、フェイスブックにそう書き込んだ。鋳物鍋でたいたホカホカの釜飯の写真が添えられている。ご飯の上にはバターでいためたアワビがのっている。チョン・サラさんは「釜飯は写真映えするし、作りやすいし、おいしいので、一石三鳥」と話す。「作るのが難しくないのに、ビジュアルがよく見栄えがいい。家であまり料理をしないけれど、努力の割に効果がいい(笑)」

     何を食べるにしても、まずは「証拠写真」を撮る今日このごろ、釜飯が人気だ。イイダコやアワビ、アマダイ、イカ、カキ、エビなどの食材をご飯の上にのせて火を通せば、見た目も味もいいからだ。最近、ソウル市永登浦区汝矣島洞で料理教室「サロン・ド・イコイ」を始めたシェフのチョン・ジウォンさん(46)も「鉄製の鍋や土鍋でたくご飯は、実は電気釜でたくより簡単でおいしい」と語った。「好きな食材を好きなだけのせてたけばいいので、調理法は難しくない。努力に比べ結果が抜群のメニュー」

    ◆春の釜飯は「証拠写真の女王」
  •  釜飯の材料は何でもよいが、できれば淡泊な食材の方がご飯とよく合う。チョン・ジウォンさんは「仮に魚を選ぶとしたら、鮭より貝やタイの方が合うし、牛肉なら脂の少ないヒレがよい」と話す。「チャドルバギ(牛あばら肉)を入れたチャドル釜飯も流行っているが、ご飯が冷めたとき脂が固まって味を損なうことがある。野菜は大根やズッキーニ、ニラ、セリくらいがご飯の味を邪魔せず、香りもいいので食欲をそそる」

     チョン・ジウォンさんは春にピッタリの釜飯の食材としてイイダコやカキ、アマダイの一夜干しを勧めた。イイダコ釜飯を作るときはノビルしょう油を添え、カキ釜飯を作るときは甘みがあってさわやかな大根を添えるとよい。アマダイの一夜干しも香ばしく、香りがよい。鍋に清酒1さじを入れると、生臭さがなくなる。

     釜飯なので、やはりご飯が重要だ。コメと水の味がカギとなる。チョン・ジウォンさんは「新米は15分、古米は30分ほど、十分に水に浸さなければならない」と語る。ふやかしたコメはざるに入れてきちんと水を切る。水も重要だ。チョン・ジウォンさんは「コメに最初に触れる水がご飯の味を左右する」と言う。「古いコメほど水に触れるやいなや水分をたっぷり吸い込む。最初に使う水はミネラルウォーターや浄水器の水にすると、やはり味が変わる」。種類に関係なく、コメを釜に入れるときに昆布を1枚のせておくと、ご飯につやが出る。

    ◆強火から弱火に…12分で完成
  •  海産物をのせるとき心配になるのが「火を通す時間をうまく合わせられるか」ということだ。例えばイイダコやテナガダコ、アワビなどをご飯の上にのせるときは、あまり火を通し過ぎると固くなる恐れがある。チョン・ジウォンさんは「ご飯の水蒸気で食材を蒸すので難しくない。10分ほど火を通せばよい」と語った。

     ふやかしたコメと水を1対1の比率で鍋に入れ、食材を乗せた後、まず強火で3-5分たく。ぐつぐつ煮える音が聞こえてきたら、すぐに弱火にする。その後、タイマーを12分(2人前基準)偽っとし、待てばよい。チョン・ジウォンさんは「弱火でたけばご飯が焦げることはない。土鍋でたく場合は、鍋を十分にぬらしてから使うとよい」と話す。12分たったら火を止め、ふたをしたまま5分間蒸らす。イイダコ釜飯に添えるノビルしょう油は、ノビルを刻んだ後、しょう油大さじ2杯に酢、ごま油、みりんをそれぞれ小さじ2杯加えればでき上がり。一般的な酢の代わりにバルサミコ酢を使うと、より香りがよい。
キム・スギョン記者
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