道を通して過去と未来をつなぐ都市「ソウル」-Chosun online 朝鮮日報

ソウルの代表的な都市再生事例－「ソウル路7017」を歩く

　超高度化時代を生きている今、既に繁栄を享受した後、衰退してしまった空間へ再び手を入れるのは、荒れ地を開拓するより難しいかもしれない。こうした問題は、世界の多くの都市が直面している問題でもある。現在、世界の主要都市は「都市再生」に注目している。
▲ ソウルの都市再生事業で生まれ変わった「ソウル路7017」

　韓国の首都ソウルにも、こうした都市再生事業で生まれ変わった空間がある。「ソウル路7017」は、1970年に作られたソウル駅高架道路を2017年に「車の道」から「人の道」として再生し、645の円形の植木鉢と18のアメニティ施設、市民の憩いの場と高さが17メートルある17本の歩道で、断絶していたソウル駅一帯を統合再生したソウルの代表的な都市再生事業の成果だ。近代化の象徴で、自慢でもあった天空を走るコンクリートの高架車道が、今ではソウル市民の空中庭園になっている。
▲ 「ソウル路7017」の過去と現在

　ソウル路を設計したオランダの建築家ヴィニー・マースは、ソウル路を一本の立木のように作ろうと思ったという。そのせいか、ここは木の枝のように幾筋にも分かれて自由に伸びて行っている印象がある。歩道に沿って置かれた大小の円形の植木鉢が、歩く面白みをさらに増している。計228種類、およそ2万4000本が名前順に植えられ、歩きながら自然と樹木の名前を知ることができる。グリーンのストライプのTシャツを着た文化観光解説士の親切な説明を聞きながら歩くのも面白い。
▲ ソウル市民の憩いの空間となったソウル路2017

　さまざまな方式で動線が連結されている17本の歩道は、代表的な旧ソウル駅舎「文化駅ソウル284」、韓国の国宝第1号「崇礼門」、さらには朝鮮王朝時代の漢陽を取り囲んでいた都城で、現存する世界の都城の中では最も規模が大きくて歴史が古い「漢陽都城」に至るまで、断絶していた都市の道を回復するため、それぞれの位置ごとの状況に合せて魅力的に連結されている。参考までに、高架歩道には111本の「統合ポール」が設置されているが、高さ4メートルのこの柱は、日が暮れるとLEDのライトで周囲を照らす。

　とりわけ夜には、ソウルの肉体を撮影する青いX線のように、昼間とはまた異なる銀河が展開する。低いところに青いライトを当てて銀河を、また白いライトは木に当てて星をイメージさせるという。さらに、「ソウル路7017」の現代的な姿と、ソウル路の向こうにある「文化駅ソウル284」の歴史的痕跡の共存は、どんな夜景にも劣らない光景をプレゼントする。
▲ ソウル路7017には、観光案内施設やさまざまなコンテンツで構成された休憩ゾーンなど、訪れた人々にとって便利な18の施設が用意されている。

　2017年5月20日にオープンして以降、ソウル路を訪れた人の数は実に1931万2125人達する（8月23日現在）。訪問客が絶えない理由は何だろうか。ソウル路7017には、観光案内施設やさまざまなコンテンツからなる休憩ゾーンなど、訪れた人々にとって便利な18の施設が用意されている。市民にも旅行客にも最重要なWiFiも備えていて、快適な屋内植物もいっぱい。本を読むのも、休んでいくのも、仕事をするのも、さらには小さなミーティングを開くことまで全部できる。利用は全て無料なので、いつでも使いやすく、だから訪問客が絶えないのではないだろうか。
▲ ソウル路7017は、夜には青いX線のように輝く。

　現在は、粘り強い都市再生の促進のため南大門市場および退渓路を活性化し、公共交通機関のバスの路線拡充など、立ち遅れた地域の都市再生案も整備されつつあるという。単に道を作るのではなく、衰退した地域へ活力を呼び込み、経済面で助けになること。こうした都市再生の魅力が、今後のソウル路7017にますます期待を持たせる。

　ソウル路7017は、多くの国が直面している都市再生問題の新たな基準を提示している。古い見方からは、高架車道がないというのは「不便」と思われるかもしれない。しかしソウル市は、その場所にまた高架車道を生成するのではなく、人間のための道を造成した。都市再生で私たちが最優先に考慮すべきは「人間」ではないだろうか。

記事入力 : 2019.09.11 11:03

道を通して過去と未来をつなぐ都市「ソウル」

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