安東でタチウオを使ったキムチ「魚沈菜」試演会

  •  「タチウオ・キムジャン(越冬用のキムチ漬け)キムチ魚沈菜試演会」が12月16日、慶尚北道安東市安東宗家飲食体験館で開催された。

     礼味亭安東宗家飲食体験館が12月15日発表したところによると、郷土料理の名士ハン・ヒスクさん(92)を招いて実施された今回の試演会は、消えゆく伝統料理をよみがえらせるために企画されたという。

     「魚沈菜」とは、魚とキムチを意味する純韓国語・沈菜の合成語だ。1809年に憑虚閣李氏がまとめた「閨閤叢書」に記載されている韓国伝統食品で、「沈菜」という言葉は野菜を塩水に漬けるという意味から来た。
  •  咸興のスケソウダラキムチとともに、安東地方のタチウオキムチは魚沈菜の代表格だ。慶尚北道東海岸地方ではウツボ、クロソイ、カレイなどを魚沈菜の材料として利用している。

     タチウオを使って漬ける魚沈菜は、ニンニクや粉唐辛子、ショウガなどキムチの材料にタチウオの切り身を加えて和えた後、塩漬けした白菜の葉の間につめて漬ける。少し前まで安東地方の宗家ごとに漬けていたこの魚キムチは、和えてすぐに食べられるわけではない。1カ月ほど十分に熟成させた後、大晦日ごろから取り出して食べるというのが、一般的なキムとと違う点だ。

     礼味亭のパク・チョンナム教育院長(大慶大学外食学兼任教授)は「タチウオがキムチの具材とともによく発酵し、魚特有のうま味が出て、おいしいキムチになる。魚沈菜は大切なお客さまの食事にだけ出す、寒い冬ならではのとても特別な宗家料理の一つ」と説明した。
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