北朝鮮では最近、祭祀膳に「月餅」を並べるって!?

  •  韓国で秋夕(中秋節、今年は10月1日)に当たる陰暦8月15日は中国の中秋節だ。韓国で秋夕に松餅(ソンピョン)を食べるように、中国の人たちは中秋節に月餅を食べている。丸い満月型の伝統菓子だ。伝統的な月餅は小麦粉や麦粉にラード、砂糖、卵を加えた生地でつくり、塩漬けしたアヒルの卵の黄身、あんこ、ハスの実、緑豆、ナッツ類、ドライフルーツなど、さまざまな具を入れて丸くし、卵をぬって焼く。

  •  満月のように丸くする月餅とは異なり、韓国ではなぜ松餅を半月型にしているのだろうか。三国時代、義慈王が治めていた宮廷で亀が1匹発見された。亀の背中には「百済は満月、新羅は半月」と書かれていた。占術師は「百済は満月だからこれから傾いていき、新羅は半月だからこれからだんだん成長していく」と解釈した。後日、実際に百済は滅亡し、新羅は三国を統一して栄えた。その後、半月型は豊かさや繁栄を意味するようになり、秋夕の松餅も満月ではなく半月型にするようになったという話が伝えられている。

     深刻な食糧難に陥っている北朝鮮では、コメが不足し、松餅の代わりに月餅を祭祀の膳に並べている、と2012年に報じられた。高価な中国産月餅は幹部にささげるわいろとして使われ、住民たちは形が似ているだけの月餅を市場で購入し、祭祀の膳に並べているという。中国に対する依存度が高まり、伝統的な名節(秋夕や旧正月)料理さえも中国化しているようで残念だ。

キム・ソンユン記者
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