かわいさ限度超過…韓国で年末「ハーフケーキ」が人気

  •  まず「もったいなくてどうやって食べたらいいんだろう」という気持ちになる。マルチーズの顔型のケーキだ。このように、犬や雪だるま、トナカイ、キャラクターの顔などをデザインした、いわゆるハーフケーキが今年の年末、クリスマスシーズンを迎え人気を集めている。各種スポンジ生地を重ねてつくる既存の円筒形ケーキを半分にカットしたことから付いた名前だ。ケーキの断面を下に向け、半月型をつくり、食用色素を加えたクリームチーズをぬって形をつくる。ケーキの量は半分以下、かわいらしさは明らかに2倍以上だ。
  • ◆コロナ禍、小さくて人気

     12月22日にソウル市城東区聖水洞のケーキ店Kuricは、壁面がピンク色だった。店をオープンして3年目になるキム・ギュリさんは「1年くらい前、トリマーをしている友人にプレゼントしようと思いつくってみたのだが、ここ数カ月くらい前から人気を集めている」とした上で「20-30代の女性客が一番多い」と語った。この店のハーフケーキは、女性アイドルグループIVEのメンバー、チャン・ウォニョンとアン・ユジンの誕生日のごちそうに使われ、有名になった。ここだけではない。写真共有ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「インスタグラム」でハーフケーキを検索すると、ソウル・京畿・大田・済州など、各地域でハーフケーキの注文製作を手掛ける店が出てくる。
  •  専門家たちは、コロナ禍とインスタグラム・ブームが生んだニッチ市場だと指摘している。5人以上集まることができないため、ケーキのサイズは小さいほどよい。また、写真を撮って「インスタグラム」にアップしなければならないので、かわいいほどよい。ハーフケーキはこうした要求をすべて満足させるものだ。

    ◆量は半分、満足は2倍

     ハーフケーキの価格は4万-5万ウォン(約3900-4800円)くらいから。ベーカリーチェーンのケーキの2倍ほど高い。ハーフケーキをつくる業者のほとんどは、クリームチーズでまわりを飾り、中はスポンジ生地やクリームでつくる。生クリームはやわらかいので、表面の形を維持するのが容易ではない。イチゴなど生のフルーツは通常入っていない。

     高級生クリームの濃厚な味、チョコレートケーキのような口どけはない。思い切り飾られたケーキをカットするときは罪悪感すら感じるが、罪悪感を感じるほどケーキをほしがるほどの味かどうかについては、好き嫌いが分かれる。

    ヤン・ジホ記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
グルメの最新ニュース