朝食を抜くと、骨粗しょう症による骨折のリスクがよりいっそう高くなるという研究結果が出た。 奈良県立医科大学の中島拓紀教授の研究チームは、約2.6年間にわたり日本の成人92万7130人の健康診断および保険請求データを分析し、生活習慣と骨粗しょう症による股関節・腕・足の骨折リスクとの関連を調べた。▶年を取ってから苦労しないために…指のストレッチをするとよい

 その結果、朝食を抜くと骨粗しょう症性骨折のリスクが18%高まり、喫煙は11%、夜遅い夕食は8%高いことが分かった。朝食を抜いて夕食も遅い時間に食べる場合には、リスクが23%高まった。

 また研究チームは、毎日酒を飲んだり運動をほとんどしない生活習慣、睡眠不足なども、骨粗しょう症性骨折のリスクを高めると主張した。特に朝食を抜く人は、カルシウムやビタミンDの摂取量が少ない傾向があり、栄養不足が骨粗しょう症のリスク増大に影響を及ぼす可能性があると指摘した。カルシウムとビタミンDは、骨の健康に役立つ栄養素として知られている。 中島拓紀教授は「骨粗しょう症と骨折を予防するためには、規則正しい食生活だけでなく、全般的な生活習慣の改善が必要だ」とした上で「特に夜遅い夕食と骨代謝の関係、朝食抜きに対する生活指導効果などを明らかにする追加の研究が必要だ」と話している。 なお、老年層によく見られる骨粗しょう症は、骨の強度が低下してもろくなり、骨折しやすくなる病気だ。特に、年齢を重ねるほど脊椎や股関節の骨折発生リスクが高まり、こうした骨粗しょう症性骨折は深刻な合併症につながる恐れがあり、ひどい場合は命にかかわることもあるため注意が必要だ。骨粗しょう症性骨折の予防には、普段の地道な運動だけでなく、カルシウム、ビタミンD、タンパク質を十分に摂取しなければならないという。これらの栄養素は牛乳、卵、野菜などに多く含まれている。 今回の研究結果は最近、「Journal of the Endocrine Society」に掲載された。

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