秋夕と言えば松餅、なぜ半月型なの?
2017.10.07 11:04

 「松餅(ソンピョン)をきれいに作れたらかわいい赤ちゃんが誕生する」と言われている。松餅は1年の実りに感謝し、茶礼床(チャレサン=先祖を供養するために供える料理)に入れる餅で、真心を込めて作るように、という意味で伝えられている言葉だ。
 松餅は、うるち米の粉をこねて適度な大きさにし、中身を入れた後、松葉をしいて蒸す。地域や作る人によってその形や大きさは少しずつ異なるが、つるんとした半月型が基本だ。

 秋夕(チュソク=中秋節、今年は10月4日)は1年のうち最も大きな満月を見ることができる名節だ。しかし、秋夕を代表する食べ物である松餅はなぜ満月ではなく半月型なのだろうか。中国の中秋節に欠かせない「月餅」、日本の月見団子はどちらも丸い形をしている。
 松餅が半月型になったのは、満月は日がたつにつれて次第に欠けていくが、半月はだんだん満ちていく、という意味があるからだ。1年のうち最も豊かな日である秋夕後にもいい日がずっと続くよう願う、先祖たちの思いが込められているというわけだ。
 そのほか、松餅は天の種である満月を象徴しているためだという説もある。松餅を作るとき、中身を入れる前の生地は満月のような形をしているが、中身を入れて折ると半月型になり、半月と満月を両方象徴しているためだという。

チョソン・ドットコム/朝鮮日報日本語版