多くの女性が生理期間中、下痢に悩まされる。生理痛に下痢まで重なると、苦痛がひどい。しかし、生理中の下痢は自然な現象だ。生理が終わるころになると、下痢の症状も消えていく。
◆子宮を収縮させるプロスタグランジンが原因
生理中ひんぱんに起きる下痢の原因は、プロスタグランジンという物質にある。プロスタグランジンは子宮細胞でつくられる生理活性物質の一種で、子宮の筋肉を収縮する役割を担う。生理期間になると、普段よりもプロスタグランジンが多く生成されるが、その理由はまだはっきり明らかになっていない。ただし、生理中に発生し得る過多出血を防ぐためのものと、医療界では推測している。分泌されたプロスタグランジンは子宮だけでなく、腸まで収縮させる。このとき、収縮された腸は、水分をしっかり吸収できなくなる。これにより、食べ物に含まれる水分が腸に残り、やわらかい便(下痢)の症状が出る。中央大学病院産婦人科のヤン・シンホ教授は「子宮内膜でプロスタグランジンの分泌が多い人は、下痢がよりいっそう起こりやすい」とした上で「プロスタグランジンの分泌が増えると、下痢だけでなく、吐き気や嘔吐(おうと)などの症状が生じる」と話している。
◆生理中、下痢の緩和に消炎鎮痛剤の服用が役立つ
生理中、下痢の症状がひどいときは、非ステロイド性の消炎鎮痛剤を一日に1、2錠服用するのがよい。消炎鎮痛剤がプロスタグランジンの生成を減らすのにある程度効果があるからだ。ただし、根本的な治療法ではないため、過度な依存は禁物だ。腹部マッサージやチムジル(温療法)もよい方法だ。へその周りを時計回りにさすったり、下腹から上に向かってなで上げるように押してやると、腸が過度に収縮するのを防ぐことができる。きつい補正用下着やズボンの着用を避け、下腹部の血液循環がよくなるようにしなければならない。辛くしょっぱい料理も、下痢を悪化させる要因になるため、生理中にはできるだけ避けるのがよい。生理中に下痢の症状があった場合、脱水症状が起きやすいため、水分補給が必ず必要だ。少なくても一日に8杯以上、水を飲まなければならない。
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ヘルス朝鮮/朝鮮日報日本語版
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