昨年125万人死亡…新型コロナを抑え「死因1位」になるとみられる感染症とは
2024.11.11 11:11

 世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルス感染症の大流行以降、死因1位となるであろう感染症として結核を挙げた。対応資金が足りず、患者数増加の勢いが急速に増しているからだ。

 WHOが10月31日(現地時間)発表したところによると、昨年世界中で結核と診断された患者の数は820万人と集計されたという。1995年に結核患者の集計を始めてから最も多い年間新規患者数だ。このうち死亡した人が125万人に達する。2022年の132万人に比べやや減少したが、後天性免疫不全症候群(HIV)による死者数の2倍に相当する。

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イラスト=UTOIMAGE

 結核は細菌によって発生する感染症だ。大部分肺に影響を及ぼし、患者がせきやくしゃみなどをしたときつばが飛び散り、空気中で細菌が広がっていく。糖尿病、高血圧、たばこ、アルコールなどがリスクを高める恐れがあり、特に後天性免疫不全症候群などにより免疫力が低下している人たちには致命的だ。

 実際、報告書によると、後天性免疫不全症候群の感染者は平凡な人に比べ結核を患う可能性が16倍ほど高く、結核は後天性免疫不全症候群感染者の主な死因として知られている。世界の人口のおよそ4分の1が結核菌に感染したと推定されるが、このうちおよそ5%から10%だけに症状が見られ、病気を患う。

 WHOは、結核が新型コロナウイルス感染症を抑え、再び感染症の死因1位になるものとみている。新型コロナウイルス感染症が大流行した2020年から2年間、新型コロナウイルス感染症関連の死者は1490万人ほどだ。国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)が解除された2022年以降は関連統計が明確ではないが、新型コロナウイルス感染症による死者数はすでに年間数万人以下に急減しているものと推定される。

 WHOは、結核患者の急増原因として資金問題を挙げている。後天性免疫不全症候群、結核、マラリアなどを退治する目的で設立された国際機構が、募金額をハイリスク国メインに配分し、運用する対応資金自体が足りない状態というわけだ。現在、新規結核事例の大部分が東南アジア地域(45%)で発生しており、アフリカ(24%)や西太平洋(17%)が後に続いている。

 WHOのテドロス・アダノム事務局長は「発見、予防、治療が可能な疾病なのにもかかわらず、依然として結核が多くの人の命を奪い、体をむしばんでいるということに憤りを禁じ得ない」とした上で「すべての国々が結核退治のための約束を履行するよう求める」と話している。

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チョソン・ドットコム/朝鮮日報日本語版