飼い主がたばこを吸うと飼い犬のがん発症率が6倍に

  •  喫煙者である飼い主と一緒に暮らしている犬は、そうではない家庭で暮らしている犬に比べ、がん発症率が6倍高いという研究結果が出た。

     米国パデュー大学の研究チームがスコティッシュ・テリア120匹を3年以上観察・分析した結果、受動喫煙の影響がペットにも見られた、と国際学術誌「獣医学ジャーナル」最新号で発表した。

  •  スコティッシュ・テリアは遺伝的に膀胱がんの発症率がほかの犬種に比べて20倍ほど高く、飼い主と同じ環境を共有する特性を持っている。そのため、犬にも人にも発症するがんについて比較研究するとき、たびたび活用される。今回の研究を率いたデボラ・ネップ獣医師は「もし一般的な犬を対象に実験したとしたら、犬種による偏差などを考慮するため、はるかに多くの犬が必要だっただろう」と語った。研究チームは120匹のスコティッシュ・テリアの飼い主に対し、定期的に犬の健康に関するアンケート調査を実施し、参加した犬たちの小便を検査し、犬たちがたばこにさらされているのか追跡調査した。

     研究の結果、3年間に32匹の犬が膀胱がんを発症したが、このうち7匹が喫煙者と一緒に暮らしていた。喫煙者と一緒に暮らしているスコティッシュ・テリアがそうではないスコティッシュ・テリアに比べ、がんを発症する確率が6倍高いというわけだ。研究チームが推算した結果、喫煙者と一緒に暮らしている犬は3年間の研究期間中、10年間にわたり一日1箱のたばこを吸うのと同じくらい、たばこにさらされていたというわけだ。

     受動喫煙が飼い犬に深刻な影響を与える可能性があるという主張は、これまでに何度も繰り返されていた。アメリカ食品医薬品局(FDA)は2021年、公式ホームページで、人間が吸っているたばこの煙を吸うだけでなく、喫煙後に毛や飼い主の肌に残った残留物質もペットに問題を引き起こす可能性があると警告した。パデュー大学の研究チームは「飼い犬の健康のために家の外でたばこを吸い、飼い犬と密着して活動するときは、たばこを吸うときに着ていた服を着ない方がよい」と説明した。

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