美しい風景広がる小さな島・牛島で交通渋滞が深刻化
2017.06.06 08:41

 観光客が年間200万人を超える美しい島、牛島が交通渋滞に悩まされている。

 済州道が4月4日に発表したところによると、城山日出峰から船で10-20分ほどのところにある牛島(面積6.18平方キロ)では先月末基準でバス23台、自家用車957台をはじめ、計1098台が走っているという。先月からはレンタカーに電気自動車100台が加わり、近々電気バス20台も導入される予定だ。また、観光客が持ち込むレンタカーなど、一日平均770台が牛島を行き来している。

 現在、牛島の島民は約960世帯、1700人余りなので、住民よりも車の数の方が多いというわけだ。さらに観光目的で利用されている電気三輪車やオートバイ(スクーター含む)など1200台ほどがあり、交通渋滞が日常化しているというわけだ。

 済州東部エリアの観光名所の一つ、「島の中の島」こと牛島は、2008年からハイシーズンの7、8月には搬入車両を一日605台に制限するなど、車両総量制を実施しているが、有名無実化しているのが実情だ。牛島の道路はほとんどが幅4、5メートルほどで狭く、一部区間を除いては車道と歩道の区別がない。

 こうした状況から、観光客が車両として登録されていない無保険のスクーターなどレジャー用電動車両に乗っていて事故に遭った場合、補償や救済を受けるのが難しい。

 歩いて牛島を1周するのはもう古い。パクさん(37)は「牛島オルレキル(トレッキングコース)は漢拏山や城山日出峰、オルム(寄生火山の意)など済州島本島を眺めながら歩くことができるすばらしいコース。でも、牛島のあちこちをたくさんの車やオートバイなどが走っているので、とても歩きにくい」と語った。

 これを受け、済州道は警察と協議し、今年6月から牛島に搬入される外部車両の運行を全面的に制限する方案を施行するという。

 しかし、観光業を営む住民たちはこれに反発している。島民のカンさん(70)は「済州道が電気自動車の補助金20億ウォン(約2億円)を支援し、電気自動車のレンタルサービスを許可したことで、交通渋滞がいっそうひどくなった。外部車両の持ち込みを制限するなら、いっそのこと牛島では公共のバスだけ走れるようにし、ほかの業務用車両は全て排除すべきだ」と語った。

チョソン・ドットコム/朝鮮日報日本語版