知らないうちにストレスを受けているという「体の信号」五つ
2023.04.17 11:28

 心がつらいと体もつらいという言葉がある。日常があまりにせわしないときは、自分がストレスを受けているという事実さえも見過ごしたまま、健康をさらに悪化させてしまいがちだが、こういうときほど、しばらく休みながら自分を振り返らなければなならない。体が出すストレス信号を見てみよう。

ストレスは肌がかゆみを感じる神経線維を活性化させ、かゆみを誘発する。/写真=UTOIMAGE

◆記憶力・集中力の低下

 最近よくうっかりしたり、仕事に集中できないと感じたら、ストレスを受けているという信号かもしれない。実際に、カナダのブリティッシュコロンビア大学の研究チームによると、ストレスを少し受けただけでも集中力や記憶力の低下など、脳の機能に問題が生じることがある。研究チームが、実験参加者が与えられた作業をしている間、監視する人間を置き、ストレスを受けさせた結果、少しのストレスでも与えられると、対象者の大部分が集中力、記憶力、問題解決力、自己統制力などが落ちたことが分かった。

◆頻繁に出るおなら

 おならは一般的に、一日に10-20回ほど出るのが正常だが、これより頻繁に出るとしたら、ストレスが原因かもしれない。米国のローマ財団研究所とフランスの ダノン・ニュートリシア・リサーチの共同研究チームによると、IGQ(Intestinal Gas Questionnaires)点数が高いほど、心の健康状態がよくなく、ストレスや不安感、憂うつ感も高いことが分かった。参加者たちが訴えた腸関連の主な症状は▲おなら(81.3%)▲お腹の音(60.5%)▲げっぷ(58%)▲口臭(48.1%)▲ガスがたまった感じ(47.2%)▲腹部膨満・満腹感(39.6%)などだった。オラファー・パルソン教授は「ガスに関する症状がたびたび出ると、うつ病、不安感、ストレスのレベルが高いだけでなく、全般的な人生の質が落ちるかもしれない」と話している。

◆口臭・舌のできもの

 ストレスをたくさん受けると、口臭がひどくなる可能性がある。ストレスによって体の副交感神経活動が減り、つばの分泌が減少するが、これにより口内が乾燥し、においを誘発する細菌が育ちやすい環境に変わるためだ。舌のできものも生じやすい。舌のできものは、舌の突起や表面に小さい潰瘍ができたり、炎症が生じることを言う。ストレスが血液の循環を妨害し、唾液腺にうまく血液が供給されず、つばの分泌が減って舌にできものが生じる。

◆かゆみ

 ストレスは肌がかゆみを感じる神経線維を活性化させ、かゆみを誘発する。また、ストレス・ホルモンのコルチゾールの分泌が増えると、体内の炎症が増加し、副腎に影響を与え、肌をかゆくする。ストレスが多い人が、そうでない人に比べて慢性的なかゆみが生じる確率が2倍高い、という日本の研究結果もある。

◆歯茎から出血

 歯茎から血が出る症状も、ストレスの影響である可能性がある。体内のストレス・ホルモン数値が高まると、免疫系のはたらきが低下し、バクテリアが歯茎に侵入しやすくなるためだ。ブラジルの研究チームは、ストレスがひどい人は、そうではない人に比べて歯周病など歯周疾患に悩まされる危険が高い、と発表した。

 ストレスを減らすためには、自分ならではの心の健康管理法を見いだし、実践するのがよい。例えば、▲深呼吸をする▲自然の中で時間を過ごす▲ペットを飼う▲ほかの人と対話する▲足湯をする▲未来や過去について考えるよりも現在に集中する▲文章で表現するといった行動が役に立つだろう。

ヘルス朝鮮/朝鮮日報日本語版