一日5時間も寝ていない人、うつ病のリスク3倍
2023.06.09 10:32

 ここ10年間における韓国の成人の睡眠の特性の変化とうつ病の関連性を確認した研究結果が出た。2009年に比べ、2018年にはうつ病の有病率が2倍近く増えた中、睡眠時間が5時間未満の人は7-8時間寝た人に比べ、うつ病を発症するリスクが最大3.74倍高いことが分かった。

 盆唐ソウル大学病院神経科のユン・チャンホ教授のチームは、韓国の成人の睡眠の特性の変化を確認し、うつ病と睡眠時間の関連性を把握するため、今回の研究を実施した。研究は、2009年(2836人)と2018年(2658人)に無作為に抽出した19歳以上の成人を対象に実施され、▲起床時間▲就寝時間▲総睡眠時間▲主観的な睡眠不足経験▲睡眠の質▲うつ病かどうかなどについて調査した。

写真=資料写真/UTOIMAGE

 研究の結果、うつ病の有病率は2009年の4.6%から2018年には8.4%に増加した。同じ期間に平均睡眠時間は19分短くなり、睡眠時間が不十分だと認識している人の比率もまた、30.4%から44.3%に増えた。睡眠に到達する時間を意味する「睡眠潜伏期」が平日は8分、週末は7分増え、平日・週末ともに睡眠の効率性が低下していることが分かった。「ピッツバーグ睡眠質問票」でも点数が3.6から3.8になった。

 総睡眠時間別に見ると、2009年も2018年も7-8時間寝た人のうつ病有病率が最も低く、睡眠時間が5時間未満の人は適切な睡眠時間を取った人に比べ、有病率が3.08-3.74倍高かった。一方、9時間以上寝た人の場合にも、1.32-2.53倍高いという結果が出た。

 研究チームは、今回の研究が睡眠持続時間とうつ病の関連性を明らかにしたという点で意味がある、と説明した。ユン・チャンホ教授は「睡眠不足や睡眠の質の低さは、うつ病以外にも脳卒中や心血管疾患など、さまざな病気の原因になり得る」とした上で「特に5時間未満、または9時間以上の睡眠は、うつ病のリスクを高めることから、適切な睡眠時間を守るのが重要だ」と話している。

 なお、今回の研究は最近、大韓神経科学会が発行するSCI論文「臨床神経学」に掲載された。

ヘルス朝鮮/朝鮮日報日本語版