あくびを我慢しないで…意外な効果あり

  •  あくびは自然な現象だ。ときどき、あくびを無理に我慢しようとする人がいる。重要な場で誰かに会ったり、相手と対話をしているときにあくびをすると失礼になる、と思っているからだ。しかし、意外にもあくびはわたしたちの体によい影響を及ぼす。あくびの効能を見てみよう。

     あくびは、上昇した脳の温度を冷ましてくれる。国際応用および基礎医学研究ジャーナルに発表された研究によると、あくびの直前には脳の温度が上昇し、あくびの直後には低くなることが分かったという。実際に、あくびをすると顔面の筋肉の収縮・弛緩が行われ、顔面に流れる血流量が増加し、頭蓋骨にある静脈を通じて熱が発散される。また、あくびが絶頂に達すると、頭がい骨から熱が放出される。口を大きく開けて涼しい空気を吸い込む行為も、肺から脳に行く血液の温度を変化させる。

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    ▲ 写真=UTOIMAGE

     実際に、多発性硬化症、てんかん、片頭痛などの疾患を抱える人の場合、過度のあくびをすると一時的に症状が好転するような気がする。多発性硬化症は脊髄、視神経で構成された中枢神経系に発生する慢性疾患で、てんかんは脳の神経細胞が一時的に異常をきたし、過度の興奮状態を誘発することにより生じる意識消失、発作、行動変化などのような脳機能の一時的なまひ症状が慢性的、反復的に発生する状態をいう。片頭痛は、発作的・周期的に頭の一部分に痛みが発生する疾患だ。疾患により症状があらわれると、深部体温が上昇し、体温調節が異常に行われる。このとき、身体があくびを通じて一時的に体温調節機能を矯正するというわけだ。あくびはセロトニンやドーパミンの数値を高める。セロトニンは幸せホルモンとも呼ばれ、わたしたちの体のストレスを減らしてくれる役割を果たす。ドーパミンもまた、人の気分をよくしてくれる神経伝達物質だ。

     体と心が疲れているのなら、楽に大きなあくびをしてみるのもよい方法だ。

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イ・チェリ記者
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