米国の研究チーム「断続的断食によりアルツハイマー病の改善可能」

  •  朝になると目が覚め、時間がたつにつれて意識がはっきりしてくる。昼になると、「腹時計」が鳴って少しずつ体温が上がっていく。人間は24時間に合わせて血圧や脈拍、ホルモン、消化など、生体リズムにしたがって生活することになる。しかし、アルツハイマー病患者はこうした生体リズムが崩れている。いつでも空腹を感じ、夜眠れないなど、非正常な生活を送ることになるというわけだ。米国の研究チームが、毎日食事の時間を制限する断続的断食によりアルツハイマー病を改善することができるという研究結果を発表した。アルツハイマー病の進行初期に発生する生活リズムの変化を制御することで、病気の進行を遅らせ、治療の効果を出すことができるというわけだ。

     カリフォルニア大学サンディエゴ校医学部の研究チームは、ネズミを対象にした研究を通じ、アルツハイマー病に見られる生活障害を断続的断食で矯正することが可能だという研究結果を発表した。食事時間を制限したネズミたちは、記憶力が向上し、脳のアミロイドたんぱく質の蓄積が減少したという。研究結果は8月21日(現地時間)、「Cell Metabolism」に掲載された。

  • 写真=UTOIMAGE
    ▲ 写真=UTOIMAGE

     アルツハイマー病は米国で600万人以上が患っており、多くの人たちが最も大きな健康問題の一つだと考えている病気だ。アルツハイマー病を患っている人たちは、睡眠周期の変化や夕方の時間の認知障害および混乱など、日常的なリズムに対する障害を経験する。

     研究チームは、日常生活の変化がアルツハイマー病患者に及ぼす影響を研究するため、あるネズミのグループはえさを自由に食べられるようにし、別のグループのネズミはえさの時間を制限した。該当のグループは、一日6時間だけえさを食べることができ、残りの時間は断食させた。実験に使用されたネズミたちはみな、アルツハイマー病にかかっていた。

  • ネズミの脳を顕微鏡でのぞいた映像で、赤と青の部分が脳に蓄積したアミロイドプラークだ。アルツハイマーはアミロイドプラークが脳に蓄積されることで発生するとされている。/研究チーム提供
    ▲ ネズミの脳を顕微鏡でのぞいた映像で、赤と青の部分が脳に蓄積したアミロイドプラークだ。アルツハイマーはアミロイドプラークが脳に蓄積されることで発生するとされている。/研究チーム提供

     実験の結果、自由にえさを食べられたネズミたちに比べ、えさの時間が制限されていたネズミたちの方が記憶力がよく、夜にはあまり活動的ではなく、睡眠時間が規則的だった。また、えさの時間が制限されていたネズミたちは、そうでなかったネズミたちに比べ認知評価でもよりよい成果を収めた。ネズミたちのえさ供給時間を制限する方式が、アルツハイマー病の行動症状を緩和するのに役立ち得るというわけだ。

     研究チームによると、えさの供給を制限したネズミたちは、アルツハイマー病と神経炎症に関する遺伝子の発現が異なっていたことを発見したという。日常のリズムを取り戻したネズミたちの脳から、アミロイドたんぱく質の量が減ったというわけだ。アルツハイマー病は、アミロイドたんぱく質が脳に蓄積されることで誘発されることが知られている。

     研究チームは、アルツハイマー病が既存の薬物治療ではなく、生活方式の変化により改善されるため、こうした治療法が簡単に臨床に進むことができるものとみている。研究チームは「食事時間を制限するのは、すぐに生活に適用することができるため、アルツハイマー病を患っている人たちや世話をしている人たちの生き方を劇的に改善することができる、簡単な方法になるだろう」と主張している。

ファン・ギュラク記者
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