幼少時代に長い間座っていると、青少年期に心臓が損傷し、心臓まひや脳卒中の発端になり得るという研究結果が出た。
欧州心臓学会は8月23日、こうした内容の研究結果が27日にオランダ・アムステルダムで行われる学会「ESC Congress 2023」で発表されると打ち明けた。
欧州心臓学会によると、東フィンランド大学の研究陣は、子ども766人を対象に13年間、座っている時間と心臓の状態を追跡観察したという。11歳、15歳、24歳に時期を分け、一週間にわたり身体活動を追跡するスマートウオッチを身に着ける方式で座っている時間を測定し、同時間の心臓超音波検査の結果を比較するという方法だ。
その結果、研究陣は11-24歳の間で座っている時間が1分長くなるごとに17-24歳の左心室質量が比例して増える現象を発見した。年齢とともに血圧、体脂肪、喫煙など、研究に影響を及ぼし得る要因を補正した結果だ。研究著者のアンドリュー・アグバエ東フィンランド大学博士(臨床疫学)は「若者たちが画面を長時間視聴すると、心臓がよりいっそう重くなる」とした上で「成人を対象にした以前の研究では、心臓の重さの増加は心臓まひや脳卒中の可能性を高めていた」と説明した。
研究で、11歳の子どもが座っている時間は一日平均約6時間(362分)だった。この時間が青少年期(15歳)では474分、青年期(24歳)では531分に増えた。アンドリュー・アグバエ博士は「子どもや青少年がソーシャルメディアやビデオゲームで消費する時間を減らし、散歩などより多く動けるよう励ましていかなければならない」とアドバイスした。