女性ホルモンと鎮痛剤を一緒に服用すると血栓症のリスク高まる

  •  血栓症は、血管の中の血液が固まり、血管をふさいでしまう現象だ。主に下肢、肺静脈で生じ、突然片方の脚がむくんだり、急激に呼吸困難が起きる可能性がある。ときには命を奪うこともある。避妊目的または閉経期の症状の治療に広く使われる女性ホルモンは、血栓症のリスクを高める代表的な薬剤だ。筋骨格系疼痛の調節に広く使われる消炎鎮痛剤も、血栓症のリスクを一部高める。

     最近、デンマークの研究チームが、女性ホルモンの治療を受けている女性が消炎鎮痛剤を服用したとき、血栓症のリスクがどれくらい高まるのか研究した結果が英国医学会誌で報告された。

     研究は、デンマークに居住する15-49歳の女性で血栓症の病歴がない202万9065人を対象に行われた。研究対象者たちの女性ホルモン剤および消炎鎮痛剤服用歴を調べ、平均10年追跡観察し、血栓症の発症について調査した。計8710人が静脈血栓症を発症したが、消炎鎮痛剤を服用した女性は服用していない女性に比べ、そのリスクが7.2倍上昇した。

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    ▲ 写真=UTOIMAGE

     消炎鎮痛剤を服用しながら、同時に二つの女性ホルモンを含む複合剤を服用した場合、血栓症のリスクが11.0倍高かった。

     女性ホルモンは、体内で血を固める血液凝固因子を増やし、固まらないようにする抗凝固因子を減らす。消炎鎮痛剤は、プロスタグランジンI2(Prostaglandin I2)の生産を抑制することにより、血栓症を誘発する。韓国人を含むアジア人たちは、西洋人に比べ遺伝的に血栓症の発症確率が低いが、複合女性ホルモン剤を消炎鎮痛剤と一緒に服用しなければならないときは、血栓症のリスクについても知っておかなければならない。

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イ・ウンボン・ソウル大学病院内科教授
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