韓国人1万人に1人が境界性パーソナリティ障害…20代女性の発症率が高い

  •  韓国国内の人口1万人当たり1人が、境界性パーソナリティ障害と診断されたり治療を受けているという研究結果が出た。境界性パーソナリティ障害は、情緒不安定、自己同一性問題、対人関係などを含め、さまざまな症状を見せる複合パーソナリティ障害を言う。

     延世大学江南セブランス病院のソク・チョンホ教授の研究チームは最近、韓国国内の境界性パーソナリティ障害の有病率および臨床的特徴を調査し、そのような結果を得たと発表した。この研究は、「延世医学ジャーナル(Yonsei Medical Journal)」に掲載された。

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    ▲ イラスト=UTOIMAGE

     研究チームは、2010年1月1日から2019年12月31日にかけて、国民健康保険公団のデータベースを活用し、韓国国内の境界性パーソナリティ障害患者の有病率と臨床的特徴を調査した。その結果、境界性パーソナリティ障害と診断された韓国国内の患者数は、2010年の3756人から2019年には4538人へと、約1.2倍増加した。男性患者の有病率は、2010年に1万人当たり0.81人だったが2019年には0.80人となり、大きな変化が見られなかった反面、女性患者の有病率は2010年の1.12人から2019年には1.32人となり、小幅ながら増加した。境界性パーソナリティ障害の有病率が最も高い年齢増は20代で、年齢が高くなるほど有病率が低下するというパターンを見せた。地域別に見ると、ソウルの有病率が1万人当たり8.71人で最も高く、大田(6.62人)と大邱(5.90人)がその後に続いた。

     ソク・チョンホ教授は「保険請求資料の特性を考慮したとしても、国内の境界性パーソナリティ障害の低い有病率は、臨床現場で境界性パーソナリティ障害がとても低い割合で診断されていることを示唆している」とした上で「国際的な研究の流れに合わせて、診断率の向上と治療プログラムの開発の必要性を提示する研究」と話している。

パク・チミン記者
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