「通勤時間が長いとうつ病のリスクが高まる」

  •  通勤時間が長いとうつ病のリスクが高まるという研究結果が韓国で出た。いわゆる「時間貧困」がメンタルヘルスにも影響を及ぼすということだ。

     仁荷大学病院のイ・ドンウク職業環境医学科教授の研究チームは、第5回勤労環境調査に応じた20-59歳の労働者2万3415人の資料を基に、通勤時間がメンタルヘルスに及ぼす影響を分析し、そのような結果を得たと発表した。この研究は、国際学術誌「交通健康ジャーナル」に掲載された。

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    ▲ イラスト=UTOIMAGE

     研究の結果、一日の通勤時間に60分以上を要する人は、通勤時間が30分未満の人に比べ、うつ病の症状を示す可能性が1.16倍高いことが分かった。研究チームは、通勤はそれ自体が心理的・肉体的ストレスを誘発する可能性があるだけでなく、時間的余裕を奪うことから、健康によくない影響を与え得るとみている。時間的余裕が減るほど睡眠時間やストレス解消など、健康を回復するのに投資する時間が足りなくなるというわけだ。

     性別によって、通勤時間とうつ病の関連性で異なる結果が出たことが分かった。男性の場合、未婚、子どもなしで長時間労働をするとこのような関連性が著しく現れる反面、女性は多子で交替勤務をしている場合に関連性が高かった。研究チームは「長い通勤時間がむしろ健康に肯定的な影響を与える可能性があるという研究結果も存在するが、韓国では通勤時間が長いほどメンタルヘルスに否定的な影響を及ぼす可能性がある」とした上で「仕事と家庭をバランスよく両立するには、通勤時間を減らす努力が必要だ」と主張している。

パク・チミン記者
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