高血圧は動脈硬化を誘発し、心血管疾患を引き起こす。飲酒することで血圧が上昇することはよく知られているが、少量の飲酒が血圧に及ぼす影響についてはあまり知られていなかった。日本の研究チームが最近、少量の飲酒が血圧に及ぼす影響を調査した大規模な研究結果を「Journal of the American College of Cardiology」誌で発表した。
この研究は、毎年健康診断を受けている平均年齢50.5歳の日本人5万8943人を対象に実施された。対象者たちの飲酒習慣を、アンケートを通じて数十年かけて把握した後、拡張期血圧と収縮期血圧を測定した。
普段飲酒していたが禁酒した2万5521人の禁酒前後の血圧を分析した結果、女性の場合は毎日焼酎0.5-1杯ほど禁酒すると、拡張期血圧が0.41(mmHg)、収縮期血圧が0.44低下した。1-2杯だと拡張期血圧が1.14、収縮期血圧が0.78低下した。
男性の場合、毎日0.5-1杯禁酒しても有意差はなかったが、毎日1-2杯禁酒すると拡張期血圧が1.62(mmHg)、収縮期血圧が1.03低下した。一方、新たに飲酒を始めた3万1532人は男性、女性とも血圧が上昇した。酒の種類に関係なく、血圧に影響を及ぼした。
酒の主成分であるアルコールは、血圧調節機構(レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系)を活発にする。交感神経系を刺激し、細胞内のカルシウム濃度を高め、血管を収縮させることで血圧を上昇させる。高血圧が心配なら、「一日1、2杯なら大丈夫だろう」と飲酒を軽く考えてはいけない。1、2杯でも禁酒すれば血圧調節に非常に役立つ可能性がある。
ソウル大学病院内科イ・ウンボン教授