日本で高齢者1300人を研究したら…キノコに含まれる抗酸化物質が認知症リスクを低下させた
2025.10.10 16:02

 血中のエルゴチオネイン(抗酸化物質)の数値が高いほど認知症の発症リスクが低いという研究結果が出た。

 九州大学の小原知之准教授のチームは、65歳以上の日本人1344人の11年間にわたる資料を分析した。血清エルゴチオネインの数値を測定し、認知症のリスクを調べた。追跡観察期間中に273人が認知症を発症し、そのうち201人はアルツハイマー病だった。

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写真=UTOIMAGE

 分析の結果、調査対象者の血中のエルゴチオネイン濃度が高い人ほど認知症のリスクが低いことが分かった。こうした関連性は年齢、性別、血圧、血糖値、コレステロール、運動しているかどうかなどに関係なく、一貫して維持された。

 野菜の摂取が血清エルゴチオネインの数値と認知症リスクの関連性に影響を及ぼす可能性があると仮定し、血清エルゴチオネインの数値と野菜の摂取が認知症の発症に及ぼす影響を追加で調査した。すると、野菜の摂取量が少なく血清エルゴチオネインの数値が低い人と比較したとき、一日の野菜摂取量に関係なく、血清エルゴチオネインの数値が高い人の認知症リスクが著しく減少した。

 研究チームは「一般的な高齢人口において、血清エルゴチオネインの数値が高いほど、あらゆる原因による認知症の発症リスクが低下することが分かった」とした上で「エルゴチオネインは体内では合成できない物質で、これが豊富なメニューをしっかり食べる必要がある」と説明した。

 エルゴチオネインはマッシュルームなどキノコ類に豊富に含まれている天然成分で、アミノ酸の一種。オートミールなど全粒穀物などにも少量ながら存在する。

 この研究結果は、国際学術誌「Psychiatry and Clinical Neurosciences」に最近掲載された。

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ヘルス朝鮮/朝鮮日報日本語版