【ヘルス朝鮮】家族を相次いでアルツハイマー病で亡くしたある神経科学者が、脳の健康のために毎日実践している生活習慣を公開し、注目を集めている。
英エディンバラ大学で神経科学を研究するアグニエシュカ・バター(Agnieszka Butter)さん(50)は、もともとファッション業界で働いていた。しかし、祖母と叔母(伯母)がともに若年性アルツハイマー病でこの世を去ったことをきっかけに、神経科学者の道を選択した。彼女は最近、英日刊紙「テレグラフ(The Telegraph)」のインタビューを通じ、「認知症は年齢を重ねれば必ず発症するという疾患ではなく、生活習慣を改善することでリスクを十分に下げられる部分が少なくない」と語った。
▶「良質な睡眠には、何時間寝たかより一定の時間に寝て起きることが重要」
実際に近年の研究では、認知症リスクの大部分が喫煙、肥満、運動不足、難聴といった「管理(コントロール)可能な要因」と関連していることが示されている。バターさんは「毎日繰り返す小さな習慣こそが、脳の健康を守る上で最も重要だ」として、自身が実践している10の生活習慣を紹介した。
▶朝は携帯電話の代わりに一杯の水
バターさんはスマートフォン(スマホ)の代わりに、目覚まし時計を使って起床する。就寝前と起床直後のスマホ使用を減らし、睡眠を妨げるブルーライト(青色光)への曝露を最小限に抑えるためだ。起床後は、まず最初にコップ一杯の水を飲む。彼女は「軽度の脱水症状だけでも集中力や記憶力が低下する恐れがあり、長期的に脱水が持続すれば脳の血流にも悪影響を及ぼしかねない」と説明する。
▶「4秒呼吸」でストレスをコントロール
彼女はストレス管理のため、毎朝「ボックス・ブリージング(Box Breathing=ボックス呼吸法)」を3回繰り返している。4秒間息を吸い、4秒間止め、4秒間吐き出し、再び4秒間止めるというアプローチだ。慢性的なストレスは、記憶を司る「海馬」や脳のネットワーク(接続性)に悪影響を及ぼす可能性があるため、継続的な管理が重要になるという。バターさんは「ベッドを整えるという小さな習慣から一日を始めることも、精神的な負担(タスク)を減らすのに役立つ」と言及した。
▶卵や青魚で脳の栄養を補給
朝食は、卵やイワシ(丸干しなど)で済ませることが多い。卵には記憶や学習に必要な神経伝達物質の合成に関与する「コリン」が豊富に含まれており、青魚にはオメガ3脂肪酸が多く含まれているため、脳の健康維持に効果的であるとされている。
▶ベリー類や旬の果物を欠かさず摂取
ブルーベリーやラズベリーなどのベリー類、プラム(スモモ)といった紫色の果物には「アント시아ニン」が豊富だ。アントシアニンは記憶力や集中力の向上、血圧の管理に肯定的な効果をもたらすとされている。サプリメント(栄養補助食品)としては「ビタミンD3」のみを服用している。一部の研究では、十分なビタミンD濃度を維持することが認知症リスクの低減と関連していると報告されている。
▶45分ごとに立ち上がって身体を動かす
長時間座りっぱなしになるのを避け、45分ごとに席を立って歩いたりストレッチを行ったりしている。規則的な動作は血液循環(血流)を促し、脳へ酸素や栄養分を供給するのに役立つ。
▶イヤホンを外して散歩し、五感を刺激
毎日散歩をしているが、その際イヤホンは着用しない。鳥のさえずりや風の音など、周囲の音を意識的に聴き、花やハーブの香りも嗅ぐ。彼女は「聴覚も重要な認知活動の一つ。嗅覚を刺激する習慣も、脳機能の維持にプラスに働く可能性がある」と指摘した。
▶キムチ・豆類・オリーブオイルで腸内環境を管理
昼食はタンパク質と健康的な脂質、多様な野菜を中心に摂取する。サケ(鮭)やサバ、イワシなどの青魚を週に3回ほど食べるほか、キムチなどの発酵食品や豆類、オリーブオイルも頻繁に取り入れる。腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう=腸内フローラ)と脳の健康との相関関係(脳腸相関)を示す研究が増加しているためだ。昼食時にはカカオ成分70%以上のダークチョコレートを少し嗜(たし)なみ、午後3時前にはエスプレッソや緑茶を飲む。
▶運動と新しい趣味を楽しむ
週に最低4回、ヨガやピラティス、筋力トレーニング(筋トレ)を行う。運動は、学習や記憶に関与する「脳由来神経栄養因子(BDNF)」の生成を促進することが知られている。バターさんは「最近はラテンダンス(南米のダンス)を習い、新しいステップを覚えている最中だが、こうした活動がコグニティブ・リザーブ(認知予備能)を高めるのに役立つ」と語った。
▶家族や友人と継続的に交流
家族や友人と過ごす時間も大切にしている。社会的孤立は多くの研究で認知症の重大なリスク因子とされているため、直接会うことが難しい場合は、電話を通じてでも関係を維持するよう努力しているという。
▶8時間の熟眠と口腔ケアで一日を締めくくる
夜は温かい入浴で身体をリラックスさせ、就寝前には頭の中の思考をノート(紙)に書き出して整理する。ブラッシング(歯磨き)やデンタルフロスの使用も入念に行う。一部の研究では、歯周病や歯の喪失が認知症リスクの上昇と関連していると報告されているためだ。彼女は「寝室には携帯電話やテレビを置かず、一日8時間の睡眠時間を確保するよう努めている。十分な睡眠は、脳が老廃物(アミロイドβなど)を排出し、記憶を整理するための極めて重要な時間だ」と締めくくった。
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ヘルス朝鮮/朝鮮日報日本語版
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