認知症はたいてい記憶力、言語能力、判断力などが正常の範囲を超える軽度の認知障害の段階を経て発生する。認知症を防ぐためには、軽度の認知機能障害の発生を減らさなければならない。ボディマス指数(BMI)は、身長の二乗に対する体重の比で体格を表すもので、肥満度を表す指数だ。韓国人の場合、18.5-22.9を正常の範囲としている。
米国医師会精神科編で最近、ボディマス指数の変化と認知症の関連性を調査した研究が発表された。研究は、認知障害がない60-90歳の人1390人を対象に実施。これらの人たちのボディマス指数の変化と軽度の認知機能障害および認知症発生の関連性を調査した。最大18年追跡した結果、認知機能障害は371人に発生し、このうち88人は認知症に進んだ。
軽度の認知機能障害の発生は年を取るほど、認知症誘発遺伝子と呼ばれるリポタンパク質APOE4を持つ場合高く、肥満よりはボディマス指数が低いほど多く発生した。特に、軽度の認知障害が発生した人は、認知機能障害が発生する7年前からボディマス指数が顕著に低下した。解剖を通じて脳の組織を調査した結果、ボディマス指数が低い人たちは脳の組織内に認知症物質が蓄積され、脳血管疾患などの異常が見られた。
ボディマス指数が下がり続けると、単純に体から脂肪や肉が落ちるだけでなく、認知症を誘発する前駆物質が蓄積される。脳血管でも動脈硬化を誘発し、老廃物が蓄積され、軽度の認知機能障害が生じ、最終的に認知症に至らせるものとみられる。多くの人が肥満を心配しているが、体重が徐々に減り続ける場合、これもまた注意深く見なければならない。ボディマス指数の低下は認知症の前兆となる症状かもしれない。