がんは一度に生じるものではない。がん誘発要素にたびたびさらされ、遺伝子の変異が数年かけてなされたとき、がんが生じる。がんの発生に遺伝的要素が影響を及ぼすことが知られているが、生活習慣に気をつけることも重要だ。日常の中のがん誘発要素のうち、まず一つ目は「長い間座っていること」だ。
座っている時間が長いほど、がん発生のリスクが高くなる。米国テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの研究によると、座っている時間が最も長い人は、最も短い人に比べがんで死亡するリスクが52%高かった。長い間座っている女性が、そうでない女性に比べて乳がんにかかるリスクが2倍高いという、ビクトリアがん委員会の研究結果もある。
長い間座っているほど、身体活動が減るためだ。身体活動が減ると新陳代謝が低下し、細胞やホルモンの活動が鈍くなる。繰り返される場合、体内に炎症が生じる可能性があり、がん発生のリスクが高まる。
職場などの理由で座っている生活を避けられない場合、なるべく合間に意識的に席を立ち、体を動かすと健康によい。立ち上がる理由がなければ、昼食時間や休息時間を活用し、軽いストレッチや散歩をするのもよい方法だ。