知らないうちにさらされる日常の中の「がん誘発要素」3 夜勤

  •  がんは一度に生じるものではない。がん誘発要素にたびたびさらされ、遺伝子の変異が数年かけてなされたとき、がんが生じる。がんの発生に遺伝的要素が影響を及ぼすことが知られているが、生活習慣に気をつけることも重要だ。日常の中のがん誘発要素のうち、三つ目は「夜勤」だ。

     世界保健機関(WHO)傘下の国際がん研究機関(IARC)は、身体の正常な生体リズムをかく乱する夜勤を、発がん因子の一つに分類している。夜勤をすることになると、睡眠不足になり、免疫機能に問題が生じるためだ。

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    ▲ 写真=UTOIMAGE

     実際に、夜勤が多い女性の場合、卵巣がんの危険性が高まるという研究結果がある。職業・環境医学ジャーナルに発表された研究結果によると、35-74歳の実験参加者3320人を対象に調査した結果、夜勤が多かった女性は正常な時間帯に勤務した女性に比べ、進行性卵巣がんの危険が24%、境界悪性卵巣腫瘍の危険が49%高かった。

     研究チームは、夜勤が脳の神経伝達物質であるメラトニンの分泌に影響を及ぼしたものとみている。メラトニンは、眠っている間に分泌されるホルモンで、がん細胞を抑制する役割を果たす。夜勤が多い男性は、夜勤をしない人に比べ、前立腺がんを発症する危険性が3倍も高いという、カナダの研究結果もある。健康のために、適正な睡眠時間(成人基準で一日7-8時間)を守らなければならない。

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