がんは一度に生じるものではない。がん誘発要素にたびたびさらされ、遺伝子の変異が数年かけてなされたとき、がんが生じる。がんの発生に遺伝的要素が影響を及ぼすことが知られているが、生活習慣に気をつけることも重要だ。日常の中のがん誘発要素のうち、五つ目は「熱い食品や飲料」だ。
熱い食品や飲料をたびたび口にする行為も、食道がんを発症する危険性を高める。
世界保健機関(WHO)は、65度以上の熱い飲み物を発がん物質に挙げている。
実際に、ランセット腫瘍学会誌に掲載された研究を見てみると、冷たいお茶を飲んだグループに比べ、▲65度以上の熱いお茶をよく飲んでいたグループは食道がんを発症する危険性が8倍▲60-64度の飲み物を飲んだグループは2倍高かった。
食道は胃腸とは異なり保護膜がないため、外部からの刺激で損傷しやすいからだ。飲食店の鍋料理も60-70度に達するため、注意が必要だ。熱い食品や飲料を摂取するときは、すぐに口にするよりは冷まして食べる方がよい。