たばこを吸う女性、膀胱がんのリスクが2倍に

  •  膀胱がんの最も大きなリスク要因に挙げられる喫煙が、男性よりも女性に致命的だという分析結果が出た。

     ソウル大学病院泌尿医学科のクァク・チョル教授、江原大学病院泌尿医学科のキム・ジョンヒョン教授による共同研究チームは、2009年に国家健康診断を受けた1021万654人(平均年齢47.1歳)を対象に、10年後の膀胱がんの罹患率とリスク要因を分析した。

     膀胱がんは、膀胱に生じる悪性腫瘍だ。すべてのがんをひっくるめて罹患する人が10番目に多く、韓国国内の膀胱がんの年平均増加率は3.7%で、高い方だ。

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    ▲ 写真=UTOIMAGE

     膀胱がんは主に60代以上の老年期に罹患するが、主な症状としては、痛みはないものの尿に血液が混じっている。したがって、60代以上の人で突然血尿が出たら、膀胱がんを疑うべきだ。

     ただし、初期には肉眼ではよく見えない顕微鏡的血尿を伴うケースがあり、血尿のチェックをするため、定期的に尿検査を受ける必要がある。

     今回の研究では、10年間に人口10万人当たり83人の割合で膀胱がんを罹患したという集計結果が出た。性別に見た膀胱がんの罹患率は、男性が10万人当たり315人で、女性の79人に比べだいぶ多かった。

     生活習慣分析では、膀胱がんの罹患に最も大きな影響を与えたリスク要因として、「喫煙」が挙げられた。過去の喫煙者と現在の喫煙者の膀胱がん罹患リスクは、非喫煙者に比べそれぞれ1.30倍、1.66倍高かった。

     注目されるのは、喫煙が男性よりも女性の膀胱がん罹患に大きなリスク要因として作用したという点だ。研究チームは、たばこを吸い続けている20歳以上の女性が膀胱がんになるリスクは、同年代の非喫煙女性に比べ2.15倍高いと推算した。同じ比較条件で、男性の場合は膀胱がんになるリスクの差が1.64倍だった。

     専門家たちは、たばこを吸うときに発生する毒性物質の一つである「芳香族アミン(aromatic amines)」が膀胱がんを引き起こすとみている。

     実際に、米国疾病予防管理センター(CDC)の研究チームが最近、国際学術誌「Cancer epidemiology, biomarkers and prevention」に発表した論文を見ると、喫煙者の尿の中の芳香族アミンの濃度は、非喫煙者に比べ最大で30倍高いことが分かった。

     研究チームは「膀胱がん罹患に喫煙が及ぼす影響が男性よりも女性の方が大きいのは、男性とは異なり、これまで喫煙率が低下していない点が原因とみられる」とした上で「がんを予防する次元で、女性喫煙者を対象として積極的な禁煙教育を実施する必要がある」と主張している。

     なお、この研究結果は国際学術誌「Journal of Urologic Oncology」最新号に掲載された。

イ・ヘナ記者
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